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中学生の調べ学習ガイド:進め方からテーマ選びまで完全レクチャー

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中学生の調べ学習とは「総合的な学習の時間」のなかの探究過程として活用されている学習法です。ただし、調べ学習には明確な答えや指導法がないので、授業の進め方や評価の仕方に困っている先生も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、中学生の調べ学習について、進め方やおすすめのテーマ、わかりやすいまとめ方などを解説していきます。この記事を読めば、中学生の調べ学習の進め方がわかるだけでなく、テーマ選びや授業準備に悩む必要もなくなるので、ぜひ最後までご覧ください。

中学生の調べ学習とは?

中学生の調べ学習とは「総合的な学習の時間」の探究過程として活用される学習法です。ここでは、どのような目的で調べ学習を行うのか、身につく力や探究学習との違いとあわせて解説します。

調べ学習の目的

中学生の調べ学習では、与えられたテーマに沿って情報を探したり、レポートをまとめたりして、情報の調べ方を学ぶことを目的としています。また、調べ学習をとおして、各テーマに関する知識を得たり、情報のまとめ方を学んだりすることも目的の1つです。

調べ学習で身につく力

中学生は調べ学習をとおして、問題解決能力や自己表現力、情報リテラシーや批判的思考など、さまざまな能力が身につきます。

これらの能力は学生の間だけでなく、社会に出てからも重要視される能力です。そのため「今のうちから勉強をとおして、自然に能力を身につけてほしい」というねらいが込められています。

探究学習との違い

探究学習は、テーマを生徒自らが設定するのに対し、調べ学習では先生がテーマを設定します。また、探究学習は学びを深めるのが主な目的なのに対し、調べ学習は調べ方やまとめ方を知ったり、テーマに関する知識を得たりするのが主な目的です。

さらに、探究学習は地域の人や先生、クラスメイトなどと対話を重ねて学習を進めていきますが、調べ学習は基本的に、個人で学習を進めていく点も違いです。

このように、調べ学習は探究学習の導入学習的な立ち位置にあるといえます。

中学生の調べ学習の進め方

中学生の調べ学習は、以下の流れで進めていきます。

<中学生の調べ学習の進め方>

➀興味のあるテーマを見つけ、課題を設定する

➁調査方法を決める

➂情報を収集する

➃情報を整理・分析する

➄まとめて発表する

1つずつ手順の内容を見ていきましょう。

①興味のあるテーマを見つけ、課題を設定する

調べ学習のテーマは、先生が設定します。

ただし、生徒にとって興味のない難しいテーマを設定してしまうと、調べ学習に興味を持ってくれなかったり、学習の途中で生徒のモチベーションが下がってしまったりします。そのため、テーマを設定する際は、生徒が興味を抱きやすい、身近なできごとからテーマを見つけることが大切です。

②調査方法を決める

次は、生徒にテーマの問題を解決するための調査方法を決めさせます。

調査方法には、書籍やニュース、インターネット、図鑑などさまざまな手段があります。ただし、1つの調査方法で調べ学習を進めてしまうと結論が偏ってしまうので、先生は生徒に複数の調査方法を活用するよう伝えましょう。

③情報を収集する

利用する調査方法が決まったら、実際に情報を収集させる作業に移ります。

このとき、個人ブログや口コミサイトなどの情報は信憑性に欠けるため、利用しないように教える必要があります。情報を収集する際は、国や市などの公的機関が公表している情報や、新聞、書籍など信憑性の高い情報源から情報を収集するように伝えましょう。

また、参考にした書籍の出版年数やタイトル、引用したWebサイトのURLなどの情報もひかえておくように伝える必要があります。調べ学習では「参考文献を記載する」といった工程を知るのも、学びの一環です。

④情報を整理・分析する

次に、生徒は集めた情報を整理・分析し、テーマについて学びを深めていきます。このとき、単に調べた情報を羅列するのではなく、自分の意見を織り交ぜながら情報を分析するよう、生徒に指示を出しましょう。

⑤まとめて発表する

最後は、今回のテーマについてわかったことや、さらに学んでみたいことなどをまとめさせ、クラスメイトの前

で発表させる時間を取ります。まとめでも手順④と同様に、調べた情報だけでなく、自分の意見を織り交ぜながら書くことを伝えてください。

中学生の調べ学習におすすめのテーマ一覧

中学生の調べ学習は、先生がテーマを設定します。ただし、生徒が興味を持たないテーマを設定してしまうと、生徒の学習意欲が低下しかねません。以下のように、生徒にとって身近な話題からテーマを見つけてみましょう。

<社会>

・ご当地キャラから地域の特徴を調べよう

・今と昔の教科書はどこが違う?

・スポーツの歴史や世界への広がり

・自分が住んでいる地名の由来

<理科>

・虫除けスプレーで虫が来なくなる理由

・消防車が遠くに行くとサイレンの音が低くなるのはなぜ

・地震で建物がかたむく理由

・風で電気が作られる仕組み

<動物>

・猫の殺処分が犬より多い原因と改善策

・犬や猫の鼻が濡れている理由

・犬の言葉を人間は理解できるか?

・猫と一緒に寝たら睡眠の質は向上するのか?

<オリンピック>

・選手村で施されている工夫とは?

・ドーピング問題とは?

・オリンピックの開催地はどうやって決まる?

・オリンピック競技は今も昔も同じ?

<家庭科>

・買ってきた野菜の鮮度を守る方法

・世界各国の家庭料理を調べよう

・水の硬度はお茶の味に影響するのか

・身近な食材からビタミンCの含有量を調べよう

<SDGs>

・自分が住んでいる地域のSDGs取り組み調査

・身の回りにあるルールを見直してみよう

・マイクロファイナンスとは?

・今後どのような技術が発明される?

中学生の調べ学習のまとめ方|わかりやすく整理するコツ

中学生の調べ学習では、調べた内容をパワーポイントや模造紙などにまとめ、最終的にクラスメイトの前で発表しなければなりません。

ただし、調べ学習に慣れていない間は、調べた情報をどのようにまとめたら良いのかわからない生徒もいるでしょう。その場合は、以下のポイントに沿って情報をまとめるよう指導しましょう。

<中学生の調べ学習のまとめ方>

➀構成を決める(序論・本論・結論)

➁見出しや箇条書き、図表を活用する

➂参考文献や出典を明記する

1つずつコツを解説していきます。

①構成を決める(序論・本論・結論)

調べた情報は、以下のように序論・本論・結論に沿って書くと、わかりやすくまとまります。

<構成>

・序論:どんなテーマについて調べたのか、テーマを見て始めに感じたこと

・本論:調査方法や集めた情報を整理・分析した結果

・結論:今回の調べ学習でわかったことや考えたこと

冗長な文章では言いたいことが伝わらないので、情報は上記の構成でコンパクトに書くよう指導しましょう。

②見出しや箇条書き、図表を活用する

調べた情報をまとめる際は、文章だけでなく、見出しや箇条書き、図表を活用して、重要な部分が相手に伝わるよう工夫することも大切です。重要な部分が一目でわかる資料は、相手にも理解されやすいだけでなく、説得力も増します。

ただし、書籍やWebサイトなどから図表を引用する際は、図表の下に情報源を忘れず記載するよう生徒に伝えましょう。

③参考文献や出典を明記する

調べ学習で参考にした文献やWebサイトなどがあれば、必ず文末やまとめの最後に記載させるように指導しましょう。書籍であれば出版年数やタイトル、著者、WebサイトであればURLや記事タイトル、サイト名は最低でも明記させましょう。

中学生の調べ学習で活用できるツール

中学生の調べ学習では、以下のツールを活用すると学習がスムーズに進みやすいです。

<中学生の調べ学習で活用できるツール>

・書籍

・インターネット

・ワークシートテンプレート

・ICT

それぞれどのような特徴があるのかをご紹介していきます。

書籍

百科事典や辞書などの書籍は、情報源が確かなだけでなく、検索キーワードから関連キーワードも同時に調査できる点が特徴です。また、図鑑を活用すれば、図表や写真なども資料として掲載できます。

インターネット

インターネットは、手軽に最新情報を取得できる点が特徴です。また、1つのキーワードに対して多くの情報を手に入れられるので、情報が偏りにくい点も特徴といえます。

ただし、インターネットの情報には信憑性が低いものも多くあります。生徒には、なるべく公的機関が発表している情報を参考にするよう、指導しましょう。

ワークシートテンプレート

先生が事前にワークシートテンプレートを用意しておくと、生徒は記載された内容に沿って調べ学習を進められるので「何から始めたら良いのかわからない」といった事態を未然に防止できます。

ただし、先生はワークシートテンプレートを作成する手間がかかる点、生徒はワークシートテンプレートに記載された内容しか調べられない点がデメリットです。

ICT

ICTを活用すると、生徒は効率良く情報を集めたり分析したりできるため、調べ学習がスムーズに進みやすいです。また、図表の作成や引用もICT内で簡潔するうえ、発表もICTを活用してクラス全員にデータ共有できるので、生徒や先生の負担も軽減できます。

まとめ

中学生の調べ学習は、先生が設定したテーマに沿って生徒が自分で情報を調べたり、自分の意見を織り交ぜながら情報をまとめたり、分析したりして進めていきます。

調べ学習のテーマは、内容が難しすぎると生徒のモチベーションを下げてしまうので、生徒の身近にある問題や興味を持っていることをベースに考えましょう。

また、収集した情報は、構成に沿って見出しや箇条書き・図表を活用しながらまとめ、参考文献や出典も明記するよう伝えると、より他人に伝わりやすい情報のまとめ方が身につきます。

ただし、調べ学習の準備や指導は、ほかの授業準備や学級運営で忙しい先生方にとって、負担の大きい作業です。

そこで、中学校の先生方には、ブリタニカ・ジャパンが提供している「ブリタニカ・スクールエディション」をご提案します。

ブリタニカ・スクールエディション」は、小中学生用の調べ学習に特化したICTツールです。ツール内には、16万以上の百科事典項目や、確かな情報源を持つWebサイトへのリンク、動画・写真・イラスト・図鑑など豊富な資料が収録されています。

さらに、ツール内の情報は生徒の各端末で共有できる点はもちろん、電子黒板に映し出したり、印刷したりもできるため、授業準備や発表にかかる手間も従来の方法より大幅に軽減できます。

ワークシートや授業案も収録されているので、調べ学習の準備に時間が取れない先生や、調べ学習を効率良く進めたい先生は、ぜひ「ブリタニカ・スクールエディション」の活用をご検討ください。