毎年ワクワクが止まらない。ノーベル賞受賞者発表。

 

もうすぐノーベル賞の発表週間が訪れます。2021年は10月4~8日と11日、生理学・医学賞を皮切りにほぼ連日ノーベル賞受賞者が発表されます。自分が受賞するわけではないけれど、日本人に受賞者が出ると自分のことのようにうれしい。このワクワク、オリンピックにも似ていますね。

2000年以降、自然科学部門で日本人受賞者が相次いだことで、近年、「さて今年は誰か」と予想が飛び交います。また文学賞においては、村上春樹の熱烈なファンが集まって発表を心待ちにする様子もみられます。なお、ノーベル賞選考過程は「ブリタニカ・オンライン・ジャパン」の『ノーベル賞』項目のイラストでわかりやすく示されています。

ノーベル賞授賞式の会場となるスウェーデンのストックホルム・コンサートホール。なお、平和賞の授賞式はノルウェーのオスロ市庁舎で行なわれる

120年の歴史(経済学賞を除く)を誇るノーベル賞ですが、受賞者の数も900あまり(団体含む)に及びます。歴史に名を残す大物たちばかりですが、そこには各人各様の事情や都合が垣間見えます。とりわけ平和賞は、選考はもちろんのこと、受賞後の評価の維持に難しいものがあると思います。軍事政権によって長期間自宅軟禁にあったミャンマーのアウン・サン・スー・チー(1991年受賞)は、民政移管後の2016年に事実上政権についたものの、少数民族ロヒンギャへの対応が人権侵害であると激しく非難され、授賞取り消しの声まで上がりました。そして今年2月、またもやスー・チーは軍部のクーデターにより拘束されてしまいました。エチオピアのアビー・アハメド・アリ首相は国内や東・北東アフリカに平和をもたらしたとして2019年に平和賞を受賞しましたが、翌2020年には国内北部の反政府勢力に武力攻撃を仕掛けました。平和賞はまた、政治的野心の対象にもなりました。多国間平和外交などの姿勢が認められ、就任1年目の2009年に受賞したアメリカのバラク・オバマ元大統領を意識したのか、北朝鮮の金正恩委員長との首脳会談に踏み切ったドナルド・トランプ前大統領が受賞への意欲を示したことは記憶に新しい出来事です。

アルフレッド・ノーベルがノーベル賞を創設しようとした理由は諸説ありますが、直接本人によって理由が記されることはありませんでした。家族をつくらず仕事一筋、人には親切だけど、どこかよそよそしく、とらえどころのない人物といわれたノーベル自身、そして彼が発明したダイナマイトと後代への影響と同様、平和賞の一部の事例には、なんとも闇の深い、矛盾に満ちた側面が見受けられます。

さて、ワクワクのもう一つの要素として、女性の受賞者にも注目してみたいものです。120年、約900の受賞者・団体のうち、女性は50人あまりしかいません。昨年2020年は4人の女性(文学賞、化学賞2人、物理学賞)が受賞しました。ちなみに、初の女性受賞者といえば、かの有名なマリー・キュリーですね(1903年)。さて、120年前、1901年の第1回受賞者といえば……、国際赤十字のアンリ・デュナン(平和賞)、そしてウィルヘルム・コンラート・レントゲン(物理学賞)がいます。

ノーベル賞の日本人受賞者(日本出身で受賞時に外国籍の者も含む)

平和賞文学賞経済学賞化学賞物理学賞生理学・医学賞
佐藤栄作
(1974)
川端康成
(1968)
福井謙一
(1981)
湯川秀樹
(1949)
利根川進
(1987)

大江健三郎
(1994)

白川秀樹
(2000)
朝永振一郎
(1965)


カズオ・イシグロ
(2017)

野依良治
(2001)
江崎玲於奈
(1973)




田中耕一
(2002)
小柴昌俊
(2002)




下村脩
(2008)
南部陽一郎
(2008)




鈴木章
(2010)
小林誠
(2008)




根岸英一
(2010)
益川敏英
(2008)




吉野彰
(2019)
赤﨑勇
(2014)





天野浩
(2014)





中村修二
(2014)





梶田隆章
(2015)

※経済学賞は受賞者なし


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