ICT・メディアリテラシーとは?教育における重要性やテーマ例をご紹介

  • ブリタニカ・ジャパン

 

現代の子どもたちにとってインターネットは身近な存在であり、WebサイトやSNSを通じて世界中の人とコミュニケーションを取っています。そこで重要になるのがICT・メディアリテラシーです。今回は、ICT・メディアリテラシーとは何か、なぜ教育が必要なのかを述べながら、具体的な内容と教育のテーマ例をご紹介します。

ICT・メディアリテラシーとは

リテラシーは本来「読み書き能力」を意味する言葉ですが、「利活用能力」としても理解されています。情報機器やインターネットの普及に伴い、とりわけ情報分野に結び付けてリテラシーという言葉が使われることが増えてきました。特に教育において重視されるのは「ICT」と「メディア」という2つの分野です。

ICTリテラシーは情報通信技術の略語で、コンピューターやインターネットの仕組み・モラルなどのリテラシーを示します。メディアリテラシーは、TVをはじめとするメディアが発信する情報を取捨選択し、活用する能力を示す意味で使われることが一般的です。

ICT・メディアリテラシーの向上は、総務省も課題として取り上げています。WebサイトやSNSの登場・発展により利便性が向上した一方、違法ダウンロードやフェイクニュースなどの問題は後を絶ちません。それらに加えて詐欺などのトラブルを避けるためにも、ICT・メディアリテラシーを向上させる教育は不可欠です。

※参考:総務省 「第2部 基本データと政策動向」

ICT・メディアリテラシーの具体的な内容

ICT・メディアリテラシーを高めるには、以下のような能力が必要とされています。

<ICT・メディアリテラシーに必要な能力>
・ICT機器を活用する能力
・正しい情報を見極め、理解する能力
・正しい情報を、モラルを守って発信する能力

上記3つについて、詳しく見ていきましょう。

ICT機器を活用する能力

ICT機器とは、PCやスマホ・タブレット、携帯電話、電子黒板といった他人とのコミュニケーションが叶う電子機器のことです。そのため、電子辞書や電卓などそれ自体で物事が完結するものはICT機器には含まれません。

政府によるGIGAスクール構想により、ICT機器を1人につき1台利用しながら授業を行う「ICT教育」が本格的にスタートしています。ICT教育をスムーズに行うためにも、ICT機器の基本的な活用方法を習得する必要があります。

正しい情報を見極め、理解する能力

インターネット上は、情報の信憑性が薄い「フェイクニュース」に溢れています。そのため、受け取った情報が正しいのか、それとも嘘なのかを見極めて判断する能力を養うことも必要です。具体的には、情報源の確認や複数のソースの確認、エビデンスの確認などを挙げられます。

正しい情報を、モラルを守って発信する能力

情報を受け取る場合のみならず、情報を発信する際もリテラシーが求められます。正しい情報を適切な形で発信できなければ、炎上などのトラブルに巻き込まれるおそれがあるほか、名誉棄損や誹謗中傷など犯罪の加害者になるケースも少なくありません。情報発信をする際に押さえておくべき事柄を以下にまとめましたので、指導の前に一度確認しておきましょう。

<主に教育すべき情報モラル>
・デマ、誤報、詐欺など情報の発信と受容する際の判断
・誹謗中傷やネットいじめなどのコミュニケーショントラブル
・著作権侵害など、知的財産権の侵害
・ウイルス、不正アクセス、個人情報流出などのセキュリティ対策
・詐欺、なりすましによる電子商取引のトラブル
・チェーンメールに代表されるトラフィックに関する問題
・犯罪やポルノに関連する有害情報の公開と受容
・引きこもり、依存症などのネット中毒に関する問題
・売春、誘拐などのトラブルにつながる出会い系サイトに関する問題

ICT・メディアリテラシー教育が必要である理由

現在の国の教育方針として、学習にICT機器とインターネットを活用する「ICT教育」が推進されています。これにより、基本的には小学生以降の方全員が1人1台のタブレット・PCを使って授業を受けるため、ICT機器を活用する能力など一定のリテラシーは必要不可欠です。

また、ICT・メディアリテラシーを理解しないままインターネットを活用すると、情報漏洩などのトラブルを起こすリスクが高くなります。いわゆる「炎上」などの問題を避けるためにも、ICT・メディアリテラシーは児童・生徒にとって将来必要になる知識のひとつといえるでしょう。

ICT・メディアリテラシー教育のテーマ例

最後に、ICT・メディアリテラシー教育のテーマ例を4つご紹介します。

<ICT・メディアリテラシー教育のテーマ例>
・検索エンジンで情報を収集する
・SNSで情報を収集する
・インターネット上のトラブルを疑似体験する
・情報発信を体験する

どれも大事なものなので、順番にチェックしていきましょう。

検索エンジンで情報を収集する

まずは検索エンジンを使っての情報収集に慣れてもらいましょう。しかし、最初はさまざまなトラブルが起こってしまう可能性があるので、以下のポイントを意識して指導してください。

<教育ポイント>
・検索エンジンの特性を教える
・ランキングを鵜呑みにしないことを伝える
・1コンテンツの情報だけで判断しないよう注意する
・ニュースサイトでも偏った意見の可能性があることを伝える

検索エンジンを使って取得できる情報のすべてが正しいわけではありません。多くの情報に触れながら真偽を見極めることで、ICT・メディアリテラシーは向上します。

SNSで情報を収集する

検索エンジンではなく、SNSを使った情報収集にも慣れてもらわなくてはなりません。児童・生徒に指導する際に押さえておきたいポイントは以下のとおりです。

<教育ポイント>
・SNS性を理解してもらえるよう説明する
・おすすめされた情報だけでなく、自ら情報を探しにいくことが重要と伝える

検索エンジンとSNSはそれぞれ性質が異なり、客観的事実だけでなく主観的な意見に溢れています。多様性に触れられることはメリットですが、真偽があやふやな情報も多いため、SNSを活用することもリテラシーの向上につながるといえるでしょう。

インターネット上のトラブルを疑似体験する

フィッシングサイト、迷惑メール、チャット上の喧嘩などを疑似体験してもらう授業も有効です。授業の際は、以下のポイントを押さえておきましょう。

<教育ポイント>
・トラブルの対処法を教える
・インターネットを利用するうえでのマナーを伝える

あくまでも疑似ですが、実際に詐欺などの被害に遭うことで教訓が身に付きます。また、自分がされて嫌なことを知ることにより、インターネット上のマナーも学べるでしょう。

情報発信を体験する

ブログやSNSを使って自ら情報発信する授業を行う際は、以下のポイントを伝えておかなければなりません。

<教育ポイント>
・ルールやマナー、モラルを守るよう指導する
・著作権について説明する

どうすれば他人に迷惑をかけずに情報を発信できるのかを教えることが重要です。また、著作権侵害に該当する行為を知ってもらうことにより、情報発信を通じた法律違反を防ぐことができるでしょう。

まとめ

ICT・メディアリテラシー教育は、国が推進するICT教育を進めるうえで必要不可欠なものです。トラブルを避けるために、そして児童・生徒にICT機器を使いこなす能力を身に付けさせるためにも効果的な指導を続けていきましょう。

ブリタニカ・ジャパンでは、250年の知識を集積した百科事典をベースとしたデジタル教材を提供しております。外部ウェブサイトへのリンクは信頼性のあるものに限定し、また300万点以上の貴重な写真・イラストは教育現場での使用であれば著作権を気にする事なくご使用いただけます。トラブルのないICT教育実現のためにご活用いただけますので、ご用命の際はお気軽にご連絡ください。