「個別最適な学び」とはどのような学びか?

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「個別最適な学び」とはどのような学びか?

教育関連の話題で最近よく目にする「個別最適な学び」。

この「個別最適な学び」とは一体どのような学びなのでしょうか?

「個別最適な学び」は、2021年に中央教育審議会(中教審)がとりまとめた「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(答申)」の中で言及されています。

この答申の概要をまとめた資料を見ると、2020年代を通じて実現すべき「令和の日本型学校教育」の姿として、「個別最適な学び」と「協働的な学び」という2つの学びが挙げられています[1]。この2つの学びを一体的に充実させ、「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善につなげることがこれからの教育では目指されているのです。

「個別最適な学び」は、「指導の個別化」と「学習の個性化」に整理できます。

この2つについて、答申の概要では次のように説明しています[1]

「指導の個別化」
(子供の)特性や学習進度等に応じ、指導方法・教材等の柔軟な提供・設定を行う  
「学習の個性化」
子供の興味・関心等に応じ、一人一人に応じた学習活動や学習課題に取り組む機会を提供する

「個別最適な学び」は新しい学び?

中教審の答申を機に「個別最適な学び」という言葉に注目が集まっていますが、こうした学びを実践している学校は、実は以前から存在していました。

たとえば、愛知県東浦町立緒川小学校では、「個別最適な学び」につながる「自由進度学習」が実践されていました[2]

自由進度学習とは、子供たちが「自ら立てた学習計画に基づいて自分のペースで学ぶ学習」です。緒川小学校に勤務していた竹内淑子氏の実践では、単元の目標や学習の流れが書かれた「学習の手引き」を参考に子どもたち自身で学習計画をつくり、教師のチェックや自己チェックをはさみながら一人で学びを進め、学級または学年全体でのまとめを行う、という流れで「自由進度学習」を行っていました[3]

また、今からおよそ100年前にアメリカの教育者であるヘレン・パーカスト「ドルトンプラン」を提唱し、子供たち自身で学びを進めていく学習方法を実践していました。

2019年に設立されたドルトン東京学園ではこの「ドルトンプラン」に基づき、自分の探究を行う「ラボラトリー」の時間が設定されています[4]。(ドルトン東京学園に関する記事はこちら

さらに、2000年にアメリカのサンディエゴで設立されたHigh Tech Highという学校では、生徒たちがプロジェクトを立ち上げ、自らが設定したテーマを追究していく学びの形が実現されています[5]

「個別最適な学び」を支援するツールとは

「個別最適な学び」を支援するツールとしては、AIドリル(子供の正誤情報を分析して、より適切な問題を出題してくれるデジタルドリル)を思い浮かべる方もいらっしゃるでしょう。

人工知能の発達により、こうしたドリルは習熟スピードを上げる一助になっている面もありますが、それとは異なる側面で子供たちの「個別最適な学び」を支援するツールとして、ブリタニカのオンライン百科事典が挙げられます。

ブリタニカのオンライン百科事典には、エキスパートにより執筆・監修された16万以上の百科事典項目と、厳選された外部ウェブサイトへのリンクが収録されています。

たとえば、「自由進度学習」や「ドルトンプラン」のラボラトリー、High Tech Highのプロジェクトのように、子供たち自身で学習目標に到達するための学びを支援するツールとして、ブリタニカのオンライン百科事典は大きな力を発揮します。

また、探究的な学習を進めるなかで先生から子供たちに適切な情報や探究のヒントを示したいときにも、ブリタニカのオンライン百科事典が活躍します。

先に紹介した中教審の答申でも指摘されているように、「個別最適な学び」は「孤立した学び」に陥らないよう、「子供同士で、あるいは多様な他者と協働」しつつ学んでいくことが重要です[1]

探究的な学習に代表されるような、仲間と協働しながら個別最適な学びを実現していくときの強力なツールとして、ブリタニカのオンライン百科事典を活用してみてはいかがでしょうか。

参考文献

[1]中央教育審議会(2021).「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(答申)【概要】 https://www.mext.go.jp/content/20210126-mxt_syoto02-000012321_1-4.pdf  ,(参照2022-06-28).

[2]竹内淑子、青山新吾、岩瀬直樹(2021).「個別最適な学び」は特別な学びなのか~自由進度学習を問う~. 授業づくりネットワーク 40, p2-10

[3]同書、p4

[4]ドルトン東京学園ホームページ. ラボラトリー.  https://www.daltontokyo.ed.jp/education/laboratory/  ,(参照2022-06-28).

[5]High Tech Highホームページ. High Tech High. https://www.hightechhigh.org/hth ,(参照2022-06-28).


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