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教育DXを推進するメリットとは?ICT教材がもたらす個別最適化学習の可能性

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小学校や中学校においても、一般企業と同様にDX化が促進されています。教育DXは教育のあり方を大きく変える重要なものですが、メリットや課題、進め方に疑問を抱いている先生方は多いかもしれません。そこでこの記事では、DX化推進におけるメリットや課題、先進事例などを解説します。

教育DXとは?

教育DX(Digital Transformation)とは、デジタル技術を活用した学校教育の変革を意味する言葉です。文部科学省は、社会の情報化やグローバル化に向けた対策として、情報活用能力などを養うことを目的に、教育DXを推進しています。

なぜ教育DXが必要なのか?

教育DXが必要とされる理由は、次のようにさまざまです。

<教育DXが必要とされる理由>

・デジタル社会を見据えた教育が必要なため

・オンライン教育の必要性が増したため

・先生の負担を軽減するため

・個別最適学習を充実させるため

教育DXにより得られるメリットや効果は後述します。

文部科学省が推進している教育DXの内容

文部科学省では、初等中等教育段階において、主体的・対話的で深い学びに向かうためのデータ活用を推進しています。「GIGAスクール構想」により小学校・中学校に1人1台の端末導入を加速させるなどの対策を進めていることも特徴的です。

教育DXのメリット

教育DXによる主なメリットは次の5つです。

<教育DXのメリット>

・先生の負担が軽減され、働き方改革が進む

・データの活用により、教育の質が向上する

・学びの均等化、個別最適化を実現できる

・オンライン教育・遠隔教育を実施できる

・保護者との連携が強化される

2022年に文部科学省が発表した「教員勤務実態調査」によると、小学校・中学校に勤務する先生の在校時間は、2016年時点と比較して減少に転じました。ICTによるデータ活用で効率化を実現しやすいほか、データ収集の確度を高めることにより、教育の質が向上することもメリットです。

コロナ禍では学校に集まることができなくなり、教育の機会が失われたことも大きな問題になりました。教育DXではオンライン教育を推進できるため、今後の発生が予想される「首都直下型地震」や「南海トラフ地震」にも対応しやすいでしょう。保護者との連携も取りやすくなり、家庭の安心感を引き出せることも間違いありません。

教育DXのデメリット・課題

教育DXのデメリットや課題としては、次の4点を挙げられます。それぞれのポイントを確認したうえで、教育DXを深化させましょう。

<教育DXのデメリット・課題>

・インフラの整備・維持に手間やコストがかかる

・先生・生徒のITリテラシーを向上させる必要がある

・個人情報保護やセキュリティリスクの懸念がある

・インターネット上でのトラブルやいじめなどが起きる可能性がある

インフラの整備・維持に手間やコストがかかる

教育DXには後述するように多くのツールを用いるため、導入や維持に手間とコストがかかります。学習用端末は破損のリスクもあり、状況に応じて買い替えも必要です。

先生・生徒のITリテラシーを向上させる必要がある

教育DXを進めた後の学習を効率化させるためには、先生・生徒のITリテラシー向上が不可欠です。セミナーへの参加を通じてITリテラシーを高めたり、安全で使いやすい学習ツールを導入したりといった対策が求められます。

個人情報保護やセキュリティリスクの懸念がある

不正アクセスなどにより、個人情報が流出するリスクがあることもデメリットです。文部科学省が策定した「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」などを参考に対策すると良いでしょう。

インターネット上でのトラブルやいじめなどが起きる可能性がある

GIGAスクール構想により整備された端末を用いて、児童や生徒によるいじめが起きる可能性があります。先生が児童・生徒の投稿を確認できるよう設定するなどの対策や、情報モラル教育によるトラブルの予防といった対策が必要です。

教育DXの進め方

教育DXの進め方について、4つのステップに分けて解説します。

① 目標設定

まず教育DXの目標と目的を設定することが重要です。デジタル化により何が改善できるのかを検討し、具体的なKPIを策定しましょう。

② デジタル環境の整備

教育DXにはさまざまなツールを用います。後述する主要ツールを確認し、学校の予算と照らし合わせながら、必要なデジタル環境の整備を進めましょう。

③ ICT研修の実施

教育DXの効果を高めるためには、先生がデジタル技術に関する知識を持つことが大切です。スキル向上に向けたICT研修などの実子を検討しましょう。

④ 評価・改善

教育DXにより導入したツールやシステムの効果を確認し、評価します。児童・生徒の学習成果や先生の満足度などを確認し、フィードバックを受け、必要と感じる点があれば改善しましょう。

教育DXの先進事例

教育DXの先進事例について、以下の4つの実例をご紹介します。

<教育DXの先進事例>

・クラウドを活用した校務DX化

・AIを活用した個別最適化学習

・コロナ禍でのオンライン朝礼

・VRを取り入れた体験型授業

クラウドを活用した校務DX化

クラウド化により、先生は学校内にいなくても校務を遂行できるようになります。これにより、必要に応じて出張先や自宅からでも業務の遂行が可能です。

AIを活用した個別最適化学習

AIにデータを学習させることにより、児童や生徒に合った授業内容を考案しやすくなります。個別最適化学習を進めるうえでも、教育DXは大いに役立つのです。

コロナ禍でのオンライン朝礼

コロナ禍においては体育館などを使って朝礼を行うことが困難です。しかし、コミュニケーションツールを活用することにより、オンライン朝礼で必要事項を伝達できます。

VRを取り入れた体験型授業

VRを授業に取り入れると、仮想空間を活用した体験型授業を実施できます。例えば、海外の風景を見ながら授業を行ったり、地震発生時を再現したりすることにより、児童や生徒の記憶に残る授業をしやすいでしょう。

教育DXの課題はICT教材で解消できる

教育DXにより生じる課題の多くは、ICT教材を用いて解消できます。その理由について、4つのポイントから解説します。

<教育DXの課題をICT教材で解消できる理由>

・優れたICT教材が先生をサポートできる

・児童や生徒を取り残す心配が減る

・遊び感覚で学べるためモチベーションを維持できる

・生徒を多面的に評価しやすくなる

優れたICT教材が先生をサポートできる

優れたICT教材は、児童・生徒だけでなく、先生にとっても分かりやすく作られています。教育DXをどのように授業に取り入れるべきか悩んでいる先生は多いかもしれません。しかし、直感的な操作が可能なICT教材を活用すると、授業準備を効率化させられるでしょう。忙しい先生に「また新しいことを覚えなければいけないのか」といった不満を抱かせることもありません。

児童や生徒を取り残す心配が減る

児童や生徒の学習進度や興味には個人差がありますが、異年齢を対象とするICT教材の活用により、個別最適なレベルの課題を与えられます。学習ツールの確認で個々の進捗も追跡できるため、児童や生徒を課題から取り残すリスクもなくなるでしょう。

遊び感覚で学べるためモチベーションを維持できる

一般的なデジタル教科書は、通常の教科書の延長線上にある存在に過ぎません。遊び感覚で学べるICT教材を導入すると、児童・生徒のモチベーションを維持・向上できます。児童・生徒が興味を持ったことが学習の入り口になれば、その学習によって生じた疑問が新しい学習につながり、学習の深度が増すでしょう。

生徒を多面的に評価しやすくなる

現在推進されているアクティブラーニングでは、児童・生徒の知識だけでなく、協働性や創造性といった数値化しにくい項目も評価しなければなりません。しかし、ICT教材を活用すると、生徒の学習プロセスも可視化できます。課題発見や問題解決、チームワークといった評価もしやすく、先生をサポートするツールになるでしょう。

まとめ

教育DXとは、デジタル技術を活用した学校教育の変革を意味する言葉です。教育DXにより、先生の負担を軽減したり、教育の質を向上させたりといったメリットを見込めます。一方で、先生や生徒のITリテラシーを向上させる必要や、セキュリティリスクの懸念があることなどはデメリットです。

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