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自己有用感とは?自己肯定感との違いと高めるためのポイントを知ろう

  • ブリタニカ・ジャパン

 

近年は自己肯定感という言葉が頻繁に使われるようになりました。自己肯定感と似た言葉として、教育現場では「自己有用感」という言葉も使われますが「どのような意味なのか」「類似する言葉とはどのように違うのか」がわからない先生も多いでしょう。この記事では、自己有用感の概要や児童・生徒の自己有用感を高めるメリット、向上させるためのポイントなどを解説します。

自己有用感とは?

自己有用感とは、自分の属するグループのなかで、自分がどれだけ大切な存在であるかを、自分自身が認識することです。自己有用感を高めることにより、自分に対する自信を高められることに加えて、問題行動に走ることを抑止したり、危険に近づくことを抑制したりする効果を得られるといいます。

自己肯定感との違いと関連性

自己肯定感とは、ありのままの自分を認めることです。自分のあり方を積極的に評価する感情や、自分自身の価値と存在意義を肯定できる感情を指します。

自己有用感との違いは、肯定的な側面だけでなく、否定的な側面も含めた自分自身を受け入れていることです。自己肯定感が高ければ、自分自身が置かれている状況とは無関係に「自分には価値がある」「ここに存在する意味がある」と感じられるでしょう。

自己効力感との違いと関連性

自己効力感とは、自分がある状況において、必要な行動を上手に遂行できるかという可能性を認知する感情を指します。英語では「self-efficacy」と表現する言葉です。心理学的には、自己効力感を以下の3つに分類しています。

<自己効力感のタイプ>

・自己統制的自己効力感

・社会的自己効力感

・学業的自己効力感

自己有用感との違いは、特定の物事に対する自信を持てることです。先述した自己肯定感とも異なり、過去の成功体験を通じて獲得しやすいことが、自己効力感の特徴といえます。

生徒の自己有用感を高めるメリット

生徒の自己有用感を高めることにより、以下のメリットを得られる可能性が高いです。それぞれのポイントを解説します。

<生徒の自己有用感を高めるメリット>

・学習などへの積極的な姿勢が習慣付く

・人を思いやる気持ちが身につく

・良好な人間関係維持に役立つ

学習などへの積極的な姿勢が習慣付く

自己有用感が高い生徒・児童は、積極的な行動や発信を行う傾向にあることが特徴的です。自分の行動が誰かの幸せにつながると考えるため、行動や発信を躊躇せずに行えます。

さらに、誰かの役に立つことを喜びに感じることも多く、率先して活動する児童・生徒に育つことが期待できるでしょう。自己有用感を高める教育を行うことにより、学習や課外活動などへの積極的な姿勢が習慣付き、リーダーシップを取って行動する児童・生徒が増える可能性があります。

人を思いやる気持ちが身につく

先述したように、誰かの役に立つことを喜びと捉える傾向にあることが、自己有用感が高い生徒・児童の特徴です。常にアンテナを張りながら生活するため、人を思いやる気持ちが身につきます。近くに困っている人がいればすぐに発見し、その人を助けるための行動がとれるでしょう。

良好な人間関係維持に役立つ

良好な人間関係の維持や構築につながることも、自己有用感を高めるメリットです。積極的に行動し、発信できる児童・生徒は周囲の人から信頼されやすく、人間関係に関するトラブルに見舞われにくくなります。結果的に、人と関わることをさらに楽しめるようになり、さらに人間関係が良好になるという好循環につながるでしょう。

自己有用感を高めるためのポイント

日本国内における若者の自己有用感や自己肯定感、自己効力感は低いといわれています。特に思春期に入った中学生や高校生は、自分を他人と比較しやすいため、自己有用感が低くなりがちです。ここでは、生徒・児童の自己肯定感を高めるために有効な3つのポイントを解説します。

<自己有用感を高めるためのポイント>

・都度の努力評価と対話を怠らない

・生徒の活躍の機会を設けるよう意識する

・生徒が評価されたいと感じている部分を認識して褒める

都度の努力評価と対話を怠らない

児童・生徒と対話する機会をできるだけ多く持ち、都度の努力評価を怠らないことが、自己有用感を高めるうえで大切なポイントです。「挨拶がない」「元気がなさそう」といったサインを見逃さず、積極的な声掛けをし、生徒・児童の話を聞きましょう。どのような行動を心がけることにより、生徒・児童への理解が深まり、子どもが安心して過ごせる居場所を提供しやすくなります。

生徒の活躍の機会を設けるよう意識する

それぞれの児童・生徒が活躍する機会を設けることも、自己有用感を高めるためのポイントです。自分自身の行動がグループにどのような好影響を与えたか自覚する機会を作ることにより、生徒・児童が成功体験を重ねられ、自分自身が集団のなかで重要な存在であると自覚できます。

生徒が評価されたいと感じている部分を認識して褒める

児童・生徒が「評価されたい」と感じている部分を探し、ピンポイントで褒めることも、自己有用感を向上させる方法のひとつです。成功したことだけでなく、努力した過程にも注目すると、児童・生徒を褒めるポイントを見つけやすいでしょう。児童・生徒が自分自身で努力したり、工夫したりした点を認めて褒めることは、失敗から立ち直るためのエネルギーにもなります。

自己有用感を高める動きとICT教材の親和性

自己有用感を高めるための指導法として、ICT教材の活用を検討しましょう。自己有用感とICT教材はエンジンと燃料のような関係性で、ICT教材は児童・生徒の自己有用感を高める起爆剤になり得ます。その理由を3つご紹介します。

ICT教材は小さな成功体験を重ねやすい

ICT教材は児童・生徒が自分のペースに合わせて学習を進められるツールです。個々のレベルに合った問題や課題にチャレンジできるため、小さな「できた!」を積み重ねられます。成功体験を重ねることは、自己有用感を高めることにもつながるのです。

視覚的な分かりやすさが学習意欲をかき立てられる

ICT教材には、画像や動画、アニメーションを使ったコンテンツが搭載されています。一般的な教科書では抽象化された概念もイメージしやすく、視覚的に分かりやすさが学習意欲をかき立てられるでしょう。児童・生徒は「もっと知りたい」という前向きな感情を持ちやすく、これも自己有用感の向上に寄与します。

学習履歴の可視化により成長を実感できる

ICT教材のなかには、過去に取り組んだ学習をデータ化し、進捗や学習時間、正答率などを可視化する機能が備わったものもあります。自分自身の頑張りを確認でき、数ヶ月間~数年間の成長を実感できるため、自己有用感の向上につながりやすいでしょう。

まとめ

自己有用感とは、グループにおける自分自身の存在を価値のあるものと認識する感情です。児童・生徒の自己有用感を高めることにより、学習への積極的な姿勢が身につきやすくなります。自己有用感を高めるためには、個々の努力を的確に評価することなどが重要です。


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