『笑顔と思いやりあふれる藤沢台小学校 〜子どもファースト〜』を合言葉に取組を進めている富田林市立藤沢台小学校では、ブリタニカ・スクールエディションを活用した授業づくりが進んでいます。今回は、導入に至る経緯から日々の授業での活用方法、子どもたちの反応や学びの変化まで、校長先生と理科専科教員の松森先生にお話を伺いました。
松森先生が初めてブリタニカ・スクールエディションに触れたのは、教育関連の展示会での模擬授業に参加したことがきっかけでした。「直感的に“ほしい!“と思いました。その模擬授業で具体的な活用場面を実際に見ることができたのが大きかったですね。」その後、トライアル利用が可能なことを知り、校内で提案。他の教員にも使ってもらえるよう、高学年の社会科など、具体的な単元と一緒に紹介していったそうです。
「これまでの授業の中で、“ブリタニカがあったら…”というイメージをもってもらえるように先生方へお話していきました。」
校長先生も、導入に向けて教員からの理解と協力が不可欠だったと振り返ります。「保護者から費用を集めて導入するので、教員達がしっかり使うという覚悟が必要でした。ですが、若い先生たちをはじめ全員が“ぜひ使いたい”と積極的に声をあげてくれたことに驚き、頼もしさも感じました。」
「インターネット検索だと広告やショッピングサイトも多く、真偽の定かでないものや表現の難しいものもたくさんあります。子どもたちが限られた時間の中で、必要な情報を選び取り、且つ理解して活用するのは難しい」と校長先生は指摘します。「しかし、先生が全ての情報を与えてしまうと、子どもたちの自主性が伸びていきません。なので、子ども達が自分で調べることが重要です。ブリタニカは、信頼できる情報に自らアクセスできるツールとして、とても素晴らしいものだと感じました。」
続けて、「小さな学年ほど確かなわかりやすい情報が必要だが、学校図書館の本だと冊数に限りありますし、公共図書館で借りてこようと思っても、どの学校も同じ時期に必要になるので、これも冊数が足りない。ブリタニカだと一人一台の端末に入っているので、そういった課題が解消されます。また図書だと情報が古くなるというのもデメリットでしたが、デジタルだと更新もしやすいので良いですね。」と語ります。
この日、6年生の理科「生き物どうしのかかわり」の授業が行われていました。担当は松森先生。児童たちはグループ内で各自担当する動物を決め、他の班の同じ動物を担当する者どうしで集まり、その生態やそれぞれの食べる・食べられる関係について、ブリタニカを使って調べていきました。そして調べた内容をもとに、松森先生が準備したピラミッド型の表にそれぞれの動物の位置を整理していきました。「その動物のページに直接書いていなくても、関連項目を見ると載っていることがあるよ」と松森先生が声をかけると、子どもたちは慣れた手つきで画面を操作して情報を探していきます。
調べ終えたら元の班に戻り、他の動物を担当していた班メンバーに情報共有します。「ピラミッドの下にくるのは全部植物だった」「下にいくほど数が増えていた」といった新たな発見も発表されていました。
これまで、授業準備では「正確でやさしい情報」を探すのに時間がかかっていたと松森先生は話します。「以前は子どもたちに渡して良い情報かどうか精査しながら、授業で必要なものを探していくのが大変だったのですが、ブリタニカのおかげでとにかく準備が劇的に早くなりました。日々の授業で必要な情報がわかりやすく載っているので、とてもありがたいです。今はワークシートの作成の際にもブリタニカを参考にすることも多く、とても助かっています。」
「この子たちは昨年のトライアル時から使っているので、すごく慣れていますよ」と松森先生が話すように、児童たちはブリタニカを日常的な学びの道具として活用しています。教科書から飛び出た情報も、図や表でわかりやすくまとめる力がついてきたと語ります。
「以前は「動物の体の働きやつくり」「人の誕生」などの単元でも活用しました。特にわかりにくい言葉が教科書にあった時に調べさせたりすると、わかりやすく解説されているのでより深く理解できます。校長も申し上げた通り、教師が全て教えてしまう・情報を全て与えてしまうのは簡単です。しかし、それだと子ども達の深い学びにならない。やはり自分で探してたどり着くことが大切だと思います。」
校長先生も「百科事典なので、ひとつの項目から興味が広がっていくのが魅力です。子どもによって関心の持ち方が違うので、個々の興味を深められるのがとても良いですね。また低学年では図鑑的に使ったり、授業の空き時間に自主的に使わせたりすることで、自然と学びが広がっていくでしょうね。」と語ります。
「これから生成AIがより普及していく中で、なんとなくAIに聞いて“わかった気になる”のではなく、学びの中でしっかりと信頼できる情報源に触れる意識を持ってほしい。自分が集めた確かな情報をもとに、そこから仮説を立てたり対話したりと、AIは“調べるツール”ではなく“壁打ちツール”として使ってほしいですね。」と松森先生は強調します。そして2学期以降もさらにブリタニカの活用を深めていきたいと語ります。「授業の助けになっているので、本当に導入してよかったです!」
「これから夏休みに入り端末を持ち帰った時に、是非保護者の皆様にも見てみてほしいです。大人が見ても楽しいものがたくさんあるので。お便りなどで保護者の皆さんにも啓蒙していきたいと思います。」と校長先生。
今後も、ブリタニカを活用した授業が、子どもたちの学びの姿勢を大きく変えていきそうです。
ブリタニカ・スクールエディションは、小学校、中学校など教育機関で利用されているオンライン百科事典です。