ブリタニカ国際年鑑

ブリタニカ国際年鑑

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『ブリタニカ国際年鑑』は、『ブリタニカ国際大百科事典』を最新の情報に保つため1975年に創刊され、以来、毎年4月に刊行されています。約60%が英語の年鑑 Britannica Book of the Year からの翻訳、約40%が日本版独自の書き下ろし記事です。

世界の1年間の出来事を、政治経済から科学、芸術、スポーツまで幅広く、解説記事、人物記事、特集記事と、世界の国を網羅した詳細な統計資料に集約。本格的な「読む国際年鑑」として、読み物としても資料としても、多くの読者に支持されています。

特別リポート

その年に内外で広く話題になった事象・出来事についての分析や解説記事です。
執筆者は各分野やテーマの第一人者で、原因や背景にまで踏み込んだ専門的な内容になっています。

グローバル・カオス──複雑化する国際政治の構造

中西 寛(京都大学大学院教授)

国際政治の予測可能性が低下している。カオス(混沌)の構造的要因は、ポスト冷戦期における国際秩序構築の失敗、大国間関係の多極化、そして非国家主体のもつ影響力である。

憲法と自衛権──7月1日の憲法解釈から

木村草太(首都大学東京准教授)

2014年7月1日の閣議決定で「集団的自衛権」ということばがにわかに脚光を浴びた。それは「解釈」によって実現可能なものなのだろうか。そもそも「憲法」とは、「立憲主義」とはなにか?

アメリカの経済格差

エリザベス・ジェイコブズ(ワシントン公平成長研究所専務理事)

超富裕層と貧困層との所得格差が極端に開いたアメリカ社会。自由な競争や機会の平等というアメリカ的価値を維持しつつ「もたざる者」の不満を解消する、経済活性化は可能なのだろうか。

朝日誤報問題にみる日本のジャーナリズム風土

牧野 洋(ジャーナリスト兼翻訳家)

『朝日新聞』の誤報問題は、一新聞社の問題ではなく新聞界全体にも責任があるといえる。報道倫理向上のためには、自己チェックのみならず相互チェック機能の強化が必須である。

公衆衛生の転回──感染症との闘いから共生へ

山本太郎(長崎大学熱帯医学研究所教授)

文明の誕生時から、人類は感染症と闘い続けてきた。しかし公衆衛生が、細菌やウイルスに勝利する日は来るのだろうか——。人類と微生物が「共存する」という考え方を探る。

先端医療をめぐる欲望にどう向き合うか

橳島次郎(東京財団研究員)

生殖補助医療、臓器再生、DNA検査…先端医療によって実現可能となる人の欲望に、いかに歯止めをかけるべきか。日本における生命倫理の議論と施策を振り返り、考察する。

繰り返される研究不正──求められる環境改善

山崎茂明(愛知淑徳大学教授)

2014年、STAP細胞の作製成功が大きく報じられ、次いで疑惑が噴出、一連の社会現象を引き起こした。研究不正は、科学への信頼を根底から脅かしかねない。

市民科学者が支えるプロジェクト

リチャード・パラーディ(エンサイクロペディア・ブリタニカ・リサーチエディター)

インターネットとコンピュータ技術の発展は、市井のアマチュア科学者たちが活躍する機会を広げた。プロフェッショナルな科学者との相互協力がさまざまな研究を可能にしている。

生物模倣で実現する新技術

メリッサ・ペトルッツェロ(エンサイクロペディア・ブリタニカ編集補佐)

進化の過程で淘汰され生き残っている生物に備わった、環境に適応するための「技術」には驚くべきものがある。それらに学んだ新しい応用技術が、続々と開発されている。

ナチス略奪美術品の行方

デブラ・N.マンコフ(シカゴ美術館附属美術大学教授)

ナチスが集めた美術品はだれのものか──第2次世界大戦中にナチスに雇われていた美術商の息子が死亡した。残された10億ユーロ相当の美術品と遺言が、物議をかもしている。

ソチ冬季五輪 理想と現実のはざまでゆれるスポーツの祭典

正田裕生(共同通信社運動部副部長)

プーチンが大国の威信をかけて開催したソチ五輪とパラリンピックは成功裏に終わった。しかし、ロシアの対ウクライナ強硬姿勢や多額の開催費がオリンピックに暗い影を投げかけた。

サッカーワールドカップ2014年ブラジル大会

大住良之(サッカージャーナリスト)

圧倒的存在感のスター選手が多くの勝敗を左右するなか、ドイツは長年をかけて培った他を寄せつけない戦術で史上4度目の頂点をきわめた。

2014年アメリカ中間選挙

デービッド・C.ベックウィズ(フリーランスライター)

国中に漠然たる不満感がうずまき、政権与党が積極的な支持を集められないなか、オバマの不人気と低い投票率に助けられ、中間選挙は共和党の圧勝に終わった。

アメリカ単独渡航をはかる中米の子供たち

セシリア・メンジバー(アリゾナ州立大学カウデン特別教授)

グアテマラ、ホンジュラス、エルサルバドルの中米北部3ヵ国から、子供だけでアメリカ入国をはかる事案が急増している。背景には各国の根深い政治問題とアメリカの移民政策がある。

スコットランド独立の住民投票

小林照夫(関東学院大学名誉教授)

2014年9月18日、イギリスからのスコットランド独立の是非を問う住民投票が実施され、独立は僅差で否決された。「連合王国」300年の歴史における独立運動の歩み。

「イスラム国」の脅威

エンサイクロペディア・ブリタニカ編集部

イラクからシリアにわたる地域をまたたく間に支配し、国家を名のるイスラム教スンニー派武装組織は国際社会に衝撃を与えた。そのすさまじいまでの残虐行為が世界を戦慄させている。

パナマ運河100周年

レイモンド・ポール・ジルー(建築技師、土木史研究家)

竣工まで10年を要した、土木工学史上最も野心的な巨大プロジェクト。二つの大洋をつないだ「奇跡の構造物」は、1世紀を経た現在も政治・経済上の世界の要衝であり続けている。

クリミア半島──支配下の3000年

エンサイクロペディア・ブリタニカ編集部

2014年、クリミア半島の分離独立の動きが世界の耳目を集めた。この動きはロシアと西ヨーロッパの対立という一過性のものではない。背景には、紀元前から連綿と続く大国支配の歴史がある。

写真特集

  • ソチ・オリンピック
  • FIFAワールドカップ ブラジル大会
  • 新種生物
  • 慶良間諸島国立公園

スポットライト

  • 危険ドラッグ
  • 電子タバコ
  • 各州共通基礎スタンダード
  • ワン・ワールド・トレード・センター
  • ディープウェブ
  • ブルネイのイスラム刑法導入
  • 富岡製糸場登録の意義
  • LED開発史
  • 岐路に立つアメリカの大学スポーツ
  • 文学賞盛衰
  • 2014年インド総選挙
  • 「昭和天皇実録」

年表

国際年表

2014年に起こったおもな出来事を暦日で記述。

事故・災害

2014年に大きな被害をもたらした事故と災害をジャンル別に掲載。

百科事典項目

一般項目

政治、経済、産業、文化、芸術、化学、生活、スポーツなど…各分野の最新動向をあますところなく記録。

世界の国と地域

およそ200の世界の国と地域の現勢と動向を統計資料を添えて記述。

人物記事

人間の記録

2014年に各界で活躍した人物をクローズアップ。

ノーベル賞受賞者

平和、文学、経済学、化学、物理学、生理学・医学…全6部門各受賞者の横顔と業績を紹介。

物故録

2014年に没した世界の著名人120人の業績を回顧。

統計

日本の統計

入手可能な最新の国内基幹統計データを豊富に掲載。

国際比較統計表

世界の現勢を最新の統計データから読む、ブリタニカ独自のユニークな資料集。

仕様

  • 言語:日本語
  • 270mm × 216mm
  • 656ページ
  • 上製本仕上げ