【調べ学習・探究学習】ウグイスの切ない子育て

  • ブリタニカ・ジャパン

 

東京のサクラは、あっという間に満開の時期を迎えました。今年は特に、全国的にサクラの開花時期が早まり、私たちは例年よりも早く春の訪れを感じることになりました。四季の区別がはっきりとしている日本では、ほかにも春を感じさせるものがいろいろあります。たとえば、「ホーホケキョ」という鳴き声でおなじみのウグイスもその一つ。ウグイスは春の季語で、別名「春告げ鳥」ともいわれます。やぶの中にいることが多いのでめったに姿を現しませんが、実はこのウグイス、とても切ない子育てをする鳥なのです。

ウグイスは夏,林ややぶの低いところに巣をつくり,4~6個の卵を産みます。ひながかえるまで2週間くらいをあたため,その後,ひなはさらに2週間ほどで巣立ちます。しかし、この子育ての途中で、ウグイスの隙を狙い、ホトトギスなどの鳥がウグイスの巣に卵を産むことがしばしばあります。

ホトトギスの卵はウグイスの卵とよく似たチョコレート色で、ウグイスの親は自分の卵ではないことに気づけません。そっくりな卵からふ化したホトトギスのひなは、ウグイスの卵とひなを巣の外へ押し出してしまうため、巣にウグイスの子供は残りません。それでもウグイスの親は、そのままホトトギスのひなを育て続けるそうです。

ホトトギスのように、鳥がほかの鳥の巣に卵を産み、そのまま子育てをさせる習性を「托卵」といいます。ホトトギスのほか、カッコウ、ツツドリ、ジュウイチといった鳥も托卵をします。托卵についてはまだわからないことが多いのですが、ウグイスはホトトギスに托卵されないように防衛しているという研究結果もあります。ただ、いざ托卵されてしまうと、ウグイスは自分の卵ではないことに気づかずに、ホトトギスの子育てを続けてしまうようです。昔から日本の和歌や絵画に描かれ、風流なイメージの強いウグイスですが、子育ての実態を知ると、なんだかいじらしくて、応援したくなりますね。

小中学校の授業を支援するデジタル教材「ブリタニカ・スクールエディション」では、「ウグイス」のほかにも、季節を象徴するいろいろな項目が収録されています。

小学校1・2年生での国語科や生活科の授業の中で活用いただくことを想定した「きせつのいろいろ」というメニューもあります。春夏秋冬に分けて項目を掲載していますので、季節の移り変わりを感じ取りながら、ぜひいろいろな項目を引いて、新しい発見をしてみてください。


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ブリタニカ・スクールエディションは、小学校、中学校など教育機関で利用されているオンラインのデジタル教材です。