北海道・札幌市内にある札幌市立北光小学校は、一昨年100周年をむかえ、「居場所感と夢中を生み出す学校」を教育目標に掲げ、次の100年に向けて第一歩を踏み出しています。
そんな北光小学校では、子どもたちが安心して調べ学習に取り組める環境づくりの一環として、「ブリタニカ・スクールエディション(以下、ブリタニカ)」を導入しました。今回は、導入に至るきっかけや現場での葛藤、選択の裏にあった想いについて、河嶋先生にお話を伺いました。
ブリタニカを知ったきっかけは、はっきりとは覚えていないものの、何かの広告で“トライアルできます”と書かれていたのを見たのが最初だったと思います。広告の内容が、札幌市内小学校向けの無償トライアル案内と記載されているのを拝見し、2023年5月に最初のコンタクトを取りました。
GIGAスクール構想で端末が配備されてから、デジタル学習基盤を整備する重要性をずっと感じています。当時担任していた3年生の中には、ネット検索で出てきた情報を鵜呑みにする子どももいて、インターネット上の情報の善し悪しを適切に判断するのは難しいと感じていました。信頼できる情報源があれば・・・という思いは、常に心のどこかにありました。
最初のトライアルでは、多忙な中でなかなか活用が進まず、使用率は低かったと思います。ただ、本格的に使う価値があるものと感じていたので、二度目のトライアルをお願いしました。デジタルを活用した授業が以前よりも校内で広がってきており、実際に使った先生方から「いいね!」という声も聞こえたので、「これはもうトライアルではなく本格的に導入すべき」と感じました。
ブリタニカの担当の方が来校されるタイミングがあったので、ブリタニカを活用した授業のイメージを教職員にもってもらうための公開授業を行い、その後の研修会で担当の方にブリタニカの価値をあらためて教職員に伝えてもらう機会を作りました。
個々の先生にブリタニカの良さを伝えるだけでなく、学校全体として共通理解を持ち、活用していく体制づくりを意識するようになりました。
研修会や学年主任会、学校予算委員会などのいくつかの話合いを経て、「これは導入する必要がある」という雰囲気が少しずつ醸成されていきました。最終的には校長先生からGOサインが出て、全校導入が実現しました。
機会があればブリタニカを使いたいと思っている先生方も多く、これからは授業の中で子どもが調べ学習に使うだけでなく、先生方が教材研究の際に気軽にブリタニカを活用する、そのような雰囲気づくりができたらと考えています。
導入にあたり、費用の捻出方法も大きな検討事項となりました。
図書費や保護者負担(学校徴収金)なども候補に上がりましたが、それぞれに課題がありました。
最終的には、「デジタル学習基盤として、子どもの学習環境を整えるのは公立学校の責任」という事務職員の言葉に背中を押され、公費での導入に踏み切ることになりました。
使い勝手も良く、全学年で使えるツールだと思います。
キーワード検索だけでなく、様々なメニューから入ることもでき、いろんな検索ルートがあるのが良いですね。
何より、好きに調べられると知的好奇心が満たされます。そしてワードのリンクや関連項目など、ひとつのことからどんどん学びがつながっていく良さがあると思います。
今年度関わりのある2年生の子どもたちにも、早速ブリタニカを活用してもらっています。
取材日に見学した授業は、2年生の「生活科 めざせ!野さい作り名人」。
自分が育てる野菜について、ブリタニカ・スクールエディションを活用し、育て方などを「野さいづくりせつめい書」にまとめていきました。
子ども達は、ブリタニカの情報を読み取りながら、いつ、どんなふうに、順序など国語の説明文の学習を想起し、学習を進めていきます。
先生から各野菜のページリンクを共有ツールで提示していたので、児童はスムーズに自分の野菜のページに入っていきました。
また、同じ野菜を育てるお友達とグループになり、見せあったり教えあったりと交流をしていました。
授業終了時には、児童から「ブリタニカすごく楽しい!」「おうちでも使いたい!」といった声が飛んでいました。
今後は、ブリタニカをより自然に授業や教材研究に組み込んでいけるようにしたいです。これからの授業では、ますます児童の主体性が求められます。端末の活用とあわせて、授業デザインをアップデートしていけたらと思っています。
ブリタニカを「特別なツール」にせず、日常的な調べ学習や教材づくりの一部として捉えてもらえたら。子どもたちがデジタルリテラシーを高めていくためにも、信頼できる情報源が身近にあることはとても大切ですね。
ブリタニカ・スクールエディションは、小学校、中学校など教育機関で利用されているオンライン百科事典です。