2009年版ブリタニカ国際年鑑
特別寄稿
◎もうひとつのニッポンへ──文化のグローバル化をこえて
安藤忠雄(建築家)
グローバル化の進展する社会のなかで、われわれは人間の「生」そのものともいえるリアルな体験を失いつつある。いまこそ歴史や地域に根ざした固有の文化の価値を見直すことが、求められている。
◎『源氏物語』千年の生命
瀬戸内寂聴(作家)
2008年、物語成立からの千年紀を迎えて脚光を浴びた『源氏物語』。この日本が世界に誇るべき、最古にして最大の魅力的な恋愛小説は、濁世末世の現代社会になにを語りかけてくれるのだろうか。
特別リポート
◎2008年世界金融危機
ジョエル・ヘイブマン
2008年に世界中を襲った経済危機の深刻さは、1930年代の大不況に匹敵する。危機の連鎖反応をくい止める手だては乏しく、各国の苦境はしばらく続くだろう。
◎食糧価格の急騰 高まる世界的危機
ジャネット・H. クラーク
食糧価格高騰には、自然・政治・科学など多数の要因が複雑にからみ合う。いま、どんな対応や支援が期待されているのか。
◎救急医療問題の深層
井川陽次郎
救急医療をめぐる問題は、日本の医療制度そのものが危機的状況にあることを訴えている。
◎市民ジャーナリズム 新時代のメディア
ローレンス・アルバラード
既存の報道機関では手の届かないところから市民が情報を発信する――はたしてそれは従来のジャーナリズムと等価だろうか。
◎無差別殺傷事件の背景と日本社会
布施木誠
これまでになく日本国内でも頻発する無差別殺傷事件。その背景には、現代人が陥る「依存症社会」が形成された歴史があった。
◎フリーガン---究極のリサイクル運動家
メアリー・グリグズビー
自由+菜食主義者=フリーガン。資本主義を否定し、環境や社会正義を重んじる彼らの新しいライフスタイルとは。
◎両生類を救え---国際カエル年
ジョン・P. ラファティ、宇根有美
2008年、絶滅が危惧される両生類への注意喚起を目的に、世界中で大きな運動が展開した。カエルたちの「危機的状況」とは。
◎北京五輪 中国の威信をかけた大会
舛本直文
北京で開かれた二つのスポーツの祭典。国際社会の目をよそに大会は強い政治色のもと、国威発揚の目的にそって遂行された。
◎アメリカ大統領選挙 変化を求めた有権者
デービッド・C. ベックウィズ
大統領選挙のたびに使われる「歴史的」という表現は、2008年のオバマ候補の勝利によって格別の意味を帯びることになった。
◎チベット問題----国家近代化と悲劇
平野聡
五輪開催さえも危うくした3月のチベット騒乱。問題は中国がナショナリズムを掲げ近代国家形成に邁進する過程で生まれた。
◎世俗と宗教 トルコのディレンマ
メティン・ヘペル
西洋と東洋の境界に位置するトルコは、歴史的・政治的葛藤に苦しんできた。世界はいま、この難問の着地点を注視している。
◎日系ブラジル移民100年の足跡
高橋幸春
最初の日本人移民がブラジルの土を踏んでから100年。その苦難の歴史と日系ブラジル人をめぐる現状を探る。
◎ヨーロッパ新移民事情
土野繁樹
統合ヨーロッパが直面する、圏外からの新たな移民との共生。EU各国は異文化の受け入れと排斥のはざまをゆれ動いている。
写真特集
◎北京オリンピック
◎東京ガールズコレクション
◎琳派
◎尾形光琳生誕350
◎ブータン
スポットライト
◎化石燃料の未来
◎種子バンク
◎ゲリラ豪雨
◎和田中学校「夜スペ」の波紋
◎DARPAの50年
◎「柔道」と「JUDO」
◎インスタントラーメン50年
◎レーザーレーサー
◎雑誌時代の終
◎ダークマター
◎蜂群崩壊症候群
◎大型ハドロン衝突型加速器
◎アホウドリ移住大作戦
◎遠隔学習――教室の枠を超えて
◎訪日外国人旅行者誘致の課題
一般項目
政治,経済,産業,文化,芸術,化学,生活,スポーツなど…各分野の最新動向をあますところなく記録。
国際百科年表
2008年に世界で起こったおもな出来事を暦日で記述。
人間の記録
2008年に各界で活躍した人物をクローズアップ。
ノーベル賞受賞者
平和,文学,経済学,化学,物理学,生理学・医学…全6部門各受賞者の横顔と業績を紹介。
物故録
2008年に没した世界の著名人120人の業績を回顧。
世界の国々・地域
およそ200の世界の国と地域の現勢と動向を統計資料を添えて記述。
日本の統計
入手可能な最新の国内基幹統計データを豊富に掲載。
国際比較統計表
世界の現勢を最新の統計データから読む,ブリタニカ独自のユニークな資料集。